今回の記事では、「赤」が人間に与える心理効果をご紹介したいと思います。
広告領域では強調するときや注意を向けたい時などに活用する「赤」ですが、赤が持つ心理効果を把握することで、より赤を活用し効果を上げていくことが可能になります。
強いエネルギーをイメージする色
赤は「積極・行動力・活力・興奮」といった力強いイメージを持つ色で、社長やキャプテンなどリーダー気質の人に好まれる傾向があります。また、モチベーションが高い時やモチベーションを上げたい時、自分をアピールしたい時など、積極性やエネルギーが欲しい時に人間は赤を活用したくなります。
ただ、「攻撃・激しい」などといった、見方によってはネガティブなイメージな側面もあります。
・与えるイメージ
華やか、女性、活発、行動力、祝い、危険、攻撃、暴力、激しさ、興奮
主張が強く目立つ。本能を刺激する「赤」
赤はとても目立つ主張が強い色です。広告領域だけでなく生活の面でも信号やパトカーといった、注意や危険を表すサインとして活用されています。
また、血液や肉の色であるため「命を表す色」といわれています。そのため人間は本能的に赤に反応する傾向があり、例えば食欲や性欲といった人間が持つ本能を刺激することができます。
赤には交感神経を刺激する効果もあり、赤で囲まれた部屋では体感温度が1~4℃上がるという実験結果もあります。これは赤が交感神経を刺激し、脈拍と血流が良くなり体温が上がったためと考えられています。
広告領域での「赤」
冒頭にも記載いたしましたが、強調するときや注意を向けたい時などに活用されます。
本能を刺激する特性から、イベント、セール・特売など消費者に行動を起こさせたい場面で多く活用されています。
また、女性的なイメージを直感的に伝える事や、明度を変えることにより高級感や華やかさを演出することができます。
Web広告ではクリエイティブのキーカラーとして使われることも多いですが、ユーザーが見たタイミング・訪れたタイミングで、そのユーザーに対しインパクトと必要な情報をいかに与えられるかが重要となりますので、バナーのキャッチやLPのファーストビューなどでサービスのポイント・キャンペーンを訴求するなど、強いメッセージを主張の強い「赤」で表示することが効果を上げるひとつの手法といえます
赤を活用しているバナー例
購買を促すダイレクトレスポンスの領域から、ブランドイメージを醸成するものなど幅広く活用されています。
山田養蜂場
「今だけ」というユーザーの惹きを強調する為に赤が使用されています。また、「無料」というコピーを赤の反対色の緑にすることで、双方とも目立つ形になります。

SK-Ⅱ
暗めの赤を使用して、高級感のある華やかな女性のイメージを醸成していると考えられます。
SK-Ⅱ以外にも、女性向け化粧品ではパッケージやロゴなどに多く使用されています。

マクドナルド
サイトのイメージカラー、店舗の内装、商品のパッケージなど様々な場面で赤が使用されています。マクドナルドのロゴ自体は黄色ですが、イメージカラーとして赤を挙げる方は多いのではないでしょうか。

赤を活用しているサイト・ページ
ECやダイレクトレスポンス、ブランドイメージ醸成の為などこちらも幅広く活用されています。
楽天
サイトを訪れるユーザーに―購買を促すため、キャッチやキャンペーンの告知など様々な場面で赤が活用されています。ロゴや楽天イーグルスの赤は、別名「クリムゾン」と呼ばれています。

やずや
コピーで強調したい部分や、商品のポイントなどページ内たくさんの箇所で赤が使われています。余談ですが、「ボタンの色を緑にすると効果が上がる」という説は、赤が多く使われているLPで赤の反対色の緑が目立つからというのが理由のひとつと考えられます。

日本郵便
街中のポスト、配達員のバイク、サイトのキーカラーなど長きにわたり赤を利用している企業で、赤のイメージが最も定着している企業のひとつといえます。

著:Web行動心理学研究所 諸永