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Web行動心理学研究所は、ディスプレイ広告のパフォーマンスを向上させるため、株式会社インフォデックスが外部有識者の皆さんと共に運営している研究チームです。 ユーザーがWeb広告と接触して反応する際の「行動心理」について、基礎的な研究やテスト配信に基づいたデータの蓄積~公開を行っています。 ブログでは、マーケティングや広告制作に活用できそうな行動心理の紹介や、行動心理を適用したバナーを実際に広告配信をして広告効果を検証したレポートなどを掲載しています。

行列を作る店の集客のコツ「社会的証明+α」

f:id:web_bp_lab:20181002101515j:plain自分のお店や会社に顧客が列をなすようにすることはマーケティングに携わる者の夢です。ラーメンや福袋、スイーツを求めて行列を作る様子がテレビで紹介されています。この心理とは何なのでしょうか?
一般に社会的証明が議論されますが、「+α」で効果がアップします。ぜひマーケティングの担当の皆さんに知っていて欲しい社会的証明の「+α」について紹介します。

多勢に従う「社会的証明」による集客

私たちは、大勢の意見の方が正しいことを経験的に知っており、この意見に従う心理があります。これを社会的証明といいます。

社会的証明は次の実験で効果が証明されています。

アメリカの心理学者のS.ミルグラム(Milgram)は、ニューヨーク雑踏の中で、実験協力者に空を見上げさる実験をしました。協力者の人数を1人、2人、3人、5人、10人、15人と変えて、それを見た通行人が示す反応を観察しました。その結果、見上げるのが1人の時は、それにつられて立ち止まったのは、通行人の4%だけでしたが、15人で見上げる条件では40%が立ち止まりました。人間は、たえず他人の行動が気になっており、違和感や興味を覚えると、極めて敏感に反応するということが実証されたのでした。人が人を呼ぶ状況、マーケティングで言えば、お客様がお客様を呼ぶ状況です。

最近のテレビをはじめとしたCMでは、「10,000袋販売達成」などというキャッチを使うケースが多く見受けられます。これには、大勢の人が購入しているということで、社会的証明のスイッチを入れようとする意図が感じられます。しかし、この手法はマーケターやCMの製作者の意図とは違い購買心理をあまり掻き立てないようです。

では、ここから社会的証明をうまく利用する「+α」を3つご紹介します。

「社会的証明+希少性」で列をつくらせる

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通信販売のテレビ番組の最後に「みなさんのお電話をお待ちします」というフレーズがありますが、コリーン・スショットというマーケターがこのフレーズを「電話がつながらない時には、もう一度電話をしてください」と変えただけで、売上が10%も増えたそうです。彼女は「みなさんのお電話をお待ちします、といわれると視聴者は電話のオペレーターが暇そうにしている姿をイメージし電話をする緊急性がないと考える」と説明しています。しかし「もう一度電話をしてください」と言われると、購入希望者が大勢いることをイメージすると述べています。多勢に従う社会的証明のスイッチを入れることができるわけです。
つまり、列を作らせるためには、社会的証明とともに、顧客に「列ができるのは、良い商品であり、品切れになるかもしれない」という希少性(※)のイメージを持たせるとよいということです。「社会的証明+希少性」ということです。
(※)
www.web-bp-lab.com

「社会的証明+個人の使用感+類似性」で集客する

社会的証明のスイッチを入れる広告を制作するためには、できるだけ多くの顧客の意見を掲載することだと「影響力の武器」の著者であり心理学者のチャルディーニは述べています。最近では、テレビでもこの手法が使われています。しかし、同じ顧客の意見を紹介する広告がくり返し流れていることがあります。こうなると「また、同じ人が出ている」と感じてしまい、信頼性を失い、広告効果が薄れてしまいますので注意が必要です。
顧客に提案するときには、同じようなタイプの多くの顧客が商品を購入していることを伝えます。購入事例や成功事例をタイプ別にできるだけ用意して情報提供をすることで効果的に、購買マインドがコントロールできるようになります。

順番待ちリストで列を作らせる「社会的証明+一貫性の原理」

先に述べたコリーン・スショットの事例にもある通り、広告の視聴者にイメージを創造させることが重要です。

レストランには、順番待ちのリストが設置されている場合があります(中には、病院でも順番待ち情報を掲示している場合もあります)。順番待ちのリストにサインすると、何番目だということが視覚的にわかります。お客様にとって、リストの上に書かれているサインは、「列」と同じ意味を持ちます。ですから、リスト上の列を作らせるためにすぐに顧客をテーブルに案内せずに、リストにサインさせる店もあります。これも集客のコツです。中には、店の従業員がダミーのサインをする店もあるようです。
このサインをするという行為は、「一貫性の原理」の心理を起動させます。人間には、一度表明した態度を一貫して保ち続ける心理のことを「一貫性の原理」といいます。サインをするというのも態度を表明することで、いわゆるコミットすることで、コミットしたことに私たちは縛られてしまうのです。「一貫性の原理」はあまり知られていませんが、朝鮮戦争のアメリカ軍人洗脳事件、オウム真理教マインドコントロールなど、人間のあり得ない行動を起こさせる非常に強い心理です。

まとめ

集客を促進する方法を紹介してきました。顧客に行列を作らせることや集客する為には、社会的証明は有効ですが、ただそれだけではなく顧客の持つイメージを使うことやほかの心理セオリーを組み合わせることで社会的証明の効果は強くなりますよ。


ー参考ー
行動経済学 経済は「感情」で動いている 友野 典男 光文社新書
影響力の武器 実践編 R・Bチャルディーニ 誠信書房
図説雑学 社会心理学 井上隆二・山下富美代 ナツメ社
衝撃の実話: 人間のありえない行動と7つの心理トリック 村田芳実 ごきげんビジネス出版


この記事の作者

合同会社メンタルナビの代表社員
日本心理学会認定心理士
村田芳実

1975年、生命保険会社入社。広報責任者や支社長を歴任。
1997年10月、株式会社小森コーポレーション(一部上場印刷機メーカー)に転職。
広報・マーケティング部門を立ち上げ、情報誌の編集長として企画・取材・執筆を担当し、ユーザー会の事務局長として、企画・運営を担当。当時、セブン-イレブンの鈴木社長に出会い、「心理学」について影響を受けた。そして、会社から、ブランディングや顧客満足のミッションを受け、放送大学に入学し心理学を学び、日本心理学会認定心理士資格を取得。
心理学のマーケティングへの活用に成功したことから、現在は、ビジネス心理学を提唱。書籍やWebサイト記事の執筆、化粧品会社の記事監修も行っている。

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