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【不完全なキャッチコピー】消費者の理解度を認知心理学で検証すると?

株式会社インフォデックス"

世の中にあふれるキャッチコピー。ウェブ上でも秀逸な作品が多数生み出されていますが、中には主語・述語・助詞など、文の要素が抜けた不完全なものもあります。
不完全なキャッチコピーを読んだとき、消費者はその意味を理解できるのでしょうか? そもそも、このようなキャッチコピーにメリットはあるのでしょうか? 今回の記事では、認知心理学の視点から解説していきます。

インパクトがあるキャッチコピー。実は〇〇がない!?

キャッチコピーの中には、インパクトを重視したものが多々あります。たとえば、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の『そうだ京都、行こう』などが有名でしょう。シンプルな短い文だからこそ、一度見ただけで記憶に残るキャッチコピーになるのです。

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(引用元:東海旅客鉄道株式会社)

ただし、この文はよく見ると助詞が抜けており、日本語として不完全です。正しい文に直すと「京都『に』行こう」となります。このように、キャッチコピーを作る場合には、インパクトを出すために不完全な文にするケースが多いのです。

文の要素を抜いているキャッチコピーには、JR東海以外にも、靴下・下着を販売している福助や、食品販売を行っている一心堂本舗などがあります。

例】

そうだ京都、行こう(東海旅客鉄道株式会社)

とくべつ、ふつうな、毎日。(福助株式会社)

時には、甘い一手を。(一心堂本舗 株式会社)


福助のキャッチコピーでは、助詞の削除や文節の入れ替えが行われています。正しい文に直すなら「普通の毎日を特別にする」となるでしょう。また、一心堂本舗については、見てのとおり述語がありません。「一手を打つ」が正しい文となります。

不完全な文でも意味を理解できる?

助詞が抜けているため、日本語としては不完全なキャッチコピー。インパクトはあるものの「読みにくいのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。また、「企業からのメッセージが、消費者に正しく伝わらないのでは?」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。いくらインパクトが大きく記憶に残りやすいとしても、意味不明なキャッチコピーは作りたくありませんよね。

とはいえ、人間の脳は文章を読んだとき補完作業を行うと言われています。つまり、主述語や助詞など「文の構成要素」が抜けていても人は文を簡単に読むことができるのです。下の2つの例文を見ると、わかりやすいでしょう。1は助詞が入った文、2は助詞が抜けた文ですが、ほとんどの人は、どちらも簡単に理解することができます。

刺激文の例

修が 荷物を 置いた 

修  荷物 置いた


いかがでしょうか? どちらも同じ意味だと理解できたはずです。つまり、一部の言葉が抜けていても人間は脳内で文章を補完し、読解できると言えます。このように、文章理解を含めた人の知覚や記憶などについて研究する心理学を、認知心理学と呼びます。

助詞を抜くメリット

文章の要素が抜けていたとしても、文章の順番があっていれば意味は伝わります。そのため、文の一部を省略したキャッチコピーでも問題がないと言えるでしょう。また、あえて助詞を抜くことで「瞬時に理解できる文になる」というメリットもあるのです。

広島大学の中條和光氏によると、助詞ありの文章は助詞なしの文章よりも、脳内での情報処理に時間がかかるという分析結果が発表されています。助詞が入っている文章だと、理解するための手がかりがあるため、処理に時間がかかってしまうのです。

不完全な文も戦略の一つに

認知心理学によると、人間の脳は文章を読む際に補完作業を行います。そのため、キャッチコピーに助詞や述語が入っていない場合でも、簡単に読むことができるのです。インパクトがあるシンプルなキャッチコピーを目指すなら、あえて文の要素を抜くことも、手段の一つとして考えられるでしょう。

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