読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Web行動心理学研究所 - Powered by infodex co.

Web行動心理学研究所は、ディスプレイ広告のパフォーマンスを向上させるため、株式会社インフォデックスが外部有識者の皆さんと共に運営している研究チームです。 ユーザーがWeb広告と接触して反応する際の「行動心理」について、基礎的な研究やテスト配信に基づいたデータの蓄積~公開を行っています。 ブログでは、マーケティングや広告制作に活用できそうな行動心理の紹介や、行動心理を適用したバナーを実際に広告配信をして広告効果を検証したレポートなどを掲載しています。

【保有効果】「どうしても捨てられない…」あの断捨離の難しさを広告に活用しよう

行動心理

f:id:web_bp_lab:20160218194546j:plain

皆さまには好きで集めているものはありますか?私も決して多くを持っているとは思いませんが、好きなマンガだけは結構持っています。
置き場もだんだん無くなってきましたのでそろそろ処分するかね?と考えはするのですが、これがなかなか処分できません。1番好きな「うしおととら」ですら、最後の3巻を年に2〜3回読み返す程度で、序盤の方はもう何年も読んでいないのに、「せっかく買ったのに…」「いつか読むかもしれないし…」と思うと処分できないんですよね〜。

これには、「保有効果」という心理現象が働いているんです。

保有効果とは

人は、現在所有しているものや環境に、それを所有していないときよりも価値を感じる傾向があります。これが「保有効果」です。これは、新しいものを手にしたときに得られるメリットよりも、現在持っているものを失うことや環境が変化することによるデメリットを大きく感じるとも言えます。

先ほどのマンガ本以外には、インターネット回線など月々契約しているものや、略奪愛などが例として挙げられます。

例えば、あなたは現在、安いけど速度が遅くて繋がらないときがあるワイヤレスインターネット回線を契約しているとします。もう少しお金を出せば、早くて繋がりやすいワイヤレスインターネット回線があるとわかったら、すぐに乗り換えるでしょうか?「今の環境に慣れてしまった」「解約してまた新たに契約する手続きが面倒」などのデメリットを大きく感じ、乗り換えないという人も多いのではないでしょうか。

f:id:web_bp_lab:20160218194910j:plain

また、略奪愛に関して言うと、既にパートナーがいる相手から自分に乗り換えてもらうには、現在のパートナーの保有効果を上回る必要があります。現在のパートナーと別れて失うものと、新たに自分と付き合うことで得られるものがイコールでは、保有効果が働いて略奪は成功しません。新たに自分と付き合うことで得られるものの方が圧倒的に多いと感じてもらって、初めて略奪が成功すると考えられます。そのため、行動心理学的に見ると略奪愛はハードルの高い行為と言えるでしょう。

これを広告の現場で活用するとどうなるでしょうか?いくつか例を見てみましょう。

保有効果のWeb広告活用例

【例1:ダイエットジム】
効果がなければ全額返金

入会前に絶大な安心材料となる返金保証。「実際に返金を要求されたらどうしよう…」と不安になり、なかなか大々的にアピールできない方もいらっしゃると思います。しかし「手続きが面倒くさい」などの保有効果が働くため、実際に利用する人はほとんどいないようです。どんどんアピールしましょう!

【例2:保険会社】
契約しなくてもOK!保険の見直しを相談するだけで粗品をプレゼント!

これは、現在加入している保険に働いている保有効果の対抗策です。契約しなくても相談するだけでメリットがあるのですから、重い腰が上がる人も多いのではないでしょうか。

【例3:ファッション通販】
何度でも試着・返品OK!

届くまでは「現物を見て気に入らなかったら返品しよう」と思っていても、いざ自宅に届き「自分のもの」になってしまうと、保有効果が働き返品しづらくなってしまいます。返品送料を無料にしてアピールしているサイトもありますね。

まとめ

新しいものを手にしたときに得られるメリットよりも、現在手にしているものを失うことや環境が変化することによりデメリットを大きく感じてしまう「保有効果」、覚えていただけたでしょうか。

日本人は警戒心が強く遠慮がちな人が多いと言われており、結果として乗り換えによる新規顧客獲得では苦戦しているところが多いようです。例に挙げたように、「乗り換え割引」など、他社から乗り換えた新規顧客を優遇した割引キャンペーンも様々な企業で行われていますよね。

Web行動心理学研究所では、今回ご紹介した保有効果がどのような効果をもたらすのか、実際に広告バナーを制作して検証を行いたいと思います。検証結果はまたこちらでレポートされていただきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


著:Web行動心理学研究所 諸永


Web行動心理学研究所 COPYRIGHT ©infodex CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.     http://www.infodex.co.jp