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Web行動心理学研究所 - Powered by infodex co.

Web行動心理学研究所は、ディスプレイ広告のパフォーマンスを向上させるため、株式会社インフォデックスが外部有識者の皆さんと共に運営している研究チームです。 ユーザーがWeb広告と接触して反応する際の「行動心理」について、基礎的な研究やテスト配信に基づいたデータの蓄積~公開を行っています。 ブログでは、マーケティングや広告制作に活用できそうな行動心理の紹介や、行動心理を適用したバナーを実際に広告配信をして広告効果を検証したレポートなどを掲載しています。

【プロスペクト理論】宝くじをついつい買ってしまうのはなぜ?

行動心理

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皆さまは宝くじはお好きですか?よく買うけど、6等(300円)しか当選したことしかない。という方も多いと思いますが、宝クジをたくさん売るにはこの6等が宝くじを買わせるカギになっています。
宝くじは連番で10枚買えば必ず6等1枚は当選します。
これにより、3000円支払って6等以上の当選がなくても実際の損失は2700円になりますので、「ちょっと得した」「1割引きで買えた」「リスクを押さえられた」という気になりませんか?このため、宝クジが好きな人は連番でまとめ買いする人が多いと言われています。

今回の記事では、そんな宝クジを買う際などに現れる、「利益が欲しいけど、リスクは最小限にしたい」という心理現象、プロスペクト理論をご紹介したいと思います。

プロスペクト理論とは?

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プロスペクト理論とは、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって提唱された理論で、人間は利益を得る場面では確実に取れる利益を取り、リスクを前にするとその全てを回避しようとする傾向がある、という行動心理のひとつです。

例えば、こんな質問を受けた場合、あなたならどちらを選択しますか?


Q1.以下の2つのクジのいずれかを引いてください。
  • A:クジを引けば、100万円が無条件でもらえるクジ
  • B:クジを引いてアタリが出れば200万円もらえるが、ハズレが出たら何ももらえないクジ
Q2.あなたは200万円の借金があるとします。以下の2つのクジのいずれかを引いてください。
  • A:クジを引けば、無条件で100万円が減額され、謝金総額が100万円になるクジ
  • B:クジを引いて、アタリが出たら借金が全額免除されるが、ハズレが出たら借金総額は変わらないクジ

この質問は、プロスペクト理論提唱者が行った実験をもとに作った質問です。カーネギーが行った実験では、Q1の場合はほぼすべての人がAを選択しました。(私もそうします)Q2では、ほとんどの人がBを選択しました。

このことから人間には「利益を前にすれば、確実に取れる利益を取る」「リスクを前にすれば、そのすべてを回避しようとする」ということが言えます。
これを、宝くじを連番でまとめ買いされている方に置き換えると、Q2の状態に近いのではないでしょうか。

  • 宝くじを買った時点でリスクを負う(高額当選の可能性が低いため
  • ただし、多く買うことで高額当選の可能性が上がる。さらに実質マイナス分を減らすことができると考えてしまう
  • リスクを可能な限り回避しようとする
  • ついまとめ買いをしてしまう

あくまでプロスペクト理論の実験結果からの「例えば」の話と受け止めていただけると幸いです。 さて、今回のプロスペクト理論は宝くじだけではなく、Web広告の現場でも多く活用されています。

いくつか例を記載いたしますので参考にしてみてください。

プロスペクト理論のWeb広告活用例

【例1:車買取サービス】
おかげさまで、顧客満足度93%!

ユーザーとしては、よくわからないお店を利用して嫌な思い(=リスク)をするよりも、安心して任せられるお店を選びたいのは当然です。満足度の高さを訴求してユーザーの不安を払拭し、申込みにつなげる意図が見えます。

【例2:化粧品】
満足いただけない場合は全額返金!

「気になるけど、肌に合わなかったらどうしよう」というユーザーの不安(リスク)を回避する意図が込められています。また、企業としては全額返金というリスクを負うことになるので、満足させる自信のある現れとも考えられます。

【例3:SEO会社】
あなたのホームページ、無料で診断します!

SEOについて知識のある人のほとんどは、現在のSEO対策は明確な手段がないと知っています。そんなある程度知識のあるユーザーに対して、効果がない可能性もあるサービスに申し込んでもらうには、まずは「金銭的なリスクを負わせない」ということを訴求するのが有効と考えて、このような表現を行っていると考えられます。

【例4:携帯通信キャリア】
つながる!通話エリア人口カバー率99%!

人が住んでいるところで通信できないのがわずか1%と訴えることで、「場所によって携帯電話が使えないリスクをほとんど回避できる」と思わせるアプローチです。ちなみにですが、「人口カバー率」は、国勢調査に用いられる約500m区画において「50%以上の場所で通信可能なエリア」をもとに算出しているので、実際のところ通話ができないエリアは結構多いと言われています。

【例5:家電量販店】
50人に1人、お買い物代が全額無料に!

「会計時に当たりレシートが出たら、総額10万円までタダになる」という家電量販店のキャンペーンをご存知の方も多いことでしょう。もし当たれば全くお金を払わなくてもいいわけですから、1000円得するよりも10万円得した方が嬉しいですよね。ということで、ついつい余計なものまで買ってしまう人が多いのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回のプロスペクト理論は「リスク」という比較的重い人間の心理に働く行動心理ですので、上手く活用できれば効果改善が期待できます。上記例以外にも様々な表現があるかと思いますので、ぜひご活用ください!


著:Web行動心理学研究所 諸永


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